新築のマイホームの計画中で妻や子供たちの意見を聞いて注文住宅会社に見積もりを依頼したら大幅な予算オーバーです。
家族で話し合ってキッチンのオプションを無くしたり、子供部屋のクローゼットを無くして今使っているタンスを使うことにしましたが工事金額が削れずに困っています。
このようなお悩みを伺いますが、どのようにすれば住み心地を維持しながらコストダウンできるのか事例を紹介していきます。
・新築住宅コストダウンのコツ
1、コストが安く強い工法を選ぶ
注文住宅業者、ハウスメーカー、工務店により得意としている工法があったり、間取りや規模により条件が違いますが鉄筋コンクリート造よりは、木造軸組み工法の方が安い傾向にあります。
他にもツーバイフォーや軽量鉄骨、プレハブ工法などがありますが、建物の耐久性や寿命も含めてトータルで検討する必要があります。
同じ面積のプランで各業者より見積もりを取って、内外装や設備費用を差し引いて構造体のみで比べると分かり易いです。
地震に強い家づくりをお考えの方へ参考になる記事を書きました。ご覧ください。
2、建物の大きさをコンパクトにする
建築面積や延べ床面積が増えれば当然、建築資材の数量や工事を施工するための人件費も比例して増えます。
必要最小限のスペースでコンパクトな設計にすれば大幅なコストダウンになります。
極端に削り過ぎて将来的な家族構成の変化などが予想できずに、部屋数が欲しくなったり駐車スペースが足りなくなるなどがないようにしましょう。
3、住宅は箱型にする
敷地の形状にもよりますが、角の多いでこぼこした形状の建物よりも、シンプルな箱型の方がローコストになります。
1階部分と2階部分も同じ面積であれば完全な箱体となり、構造的にもバランスが取れて有利になります。
4、コンクリート打ち放しにする
希望する工法が鉄筋コンクリート造の場合は、内装の天井や壁、外壁をコンクリート打ち放しにすることでコスト削減できます。
内部は寒々とした印象になるので、部屋の用途ごとに仕上げのある部屋と使い分けたり、アクセント的にコンクリート打ち放しにしても良いでしょう。
外部に関しては、打ち放し面に吹きつける撥水剤の寿命が短いので、型枠を固定するためのPコン部分から、雨水が浸入する恐れがあるので部分的な防水処理をするか、外壁は吹付塗装をする場合もあります。
5、屋根の形状はシンプルにする
木造軸組工法などの場合には、屋根の形状によりコストを抑えられます。
デザイン性を考慮して設計される場合が多いようですが、四方から棟にかけて勾配が付いた形状の寄棟や方形、複雑な形状の半切妻などは施工面積も増えるので、シンプルに両短編方向へ勾配が付いている切妻や片流れ屋根の方が低コストになります。
外観的な見た目については好みもあるので、パースなどで立体的にイメージされてから決めて下さい。
ガルバリウム鋼板屋根をお考えの方へ参考になる記事を書きました。ご覧ください。
6、間仕切り壁を減らす
間取りプランで間仕切り壁で部屋を区切れば、それだけ壁下地材とボード張りや表面の仕上げ、木製ドアの建て付けが必要となり費用は膨らみます。
子供が小さければオープンの状態にして、成長と共に必要な時にリフォーム工事で間仕切り壁を追加するのです。
居間とダイニングも区切らないで一つにまとめることで、奥行きが生まれ開放的になりその上ローコストになります。
プライバシーの問題もあるので事前に家族で話し合って決めて下さい。
子供部屋の作り方で参考になる記事を書きました。ご覧ください。
7、キッチンは作り付けする
本来ならシステムキッチンで全て完成した形でセットされますが、カウンタートップやシンクのみを既製品を利用して、土台のキャビネット部分は造作大工に施工します。
内装の床や壁施工の流れで施工してしまえばコスト削減になります。
扉部分は他の木製建具と一緒に制作してもらうことで仕上がりを統一できます。
既製品とは違った質感で味わいがあるオリジナルキッチンになります。
8、天井を無くす
内装の天井仕上げボードを無くして、本来は見えない部分である合板の底面や、構造体である梁型を塗装で仕上げて露出させます。
空間的にも開放感溢れる部屋になりますが電気や空調設備の配線や配管、ダクトなどの経路を調整したり、見栄えが悪い場合には包み込みやカバーで仕上げる必要があります。
9、システムキッチンはシンプルにする
システムキッチンは奥さんにとっては希望が多い箇所です。
対面型やL型、アイルランド型キッチンなど、ゆとりのあるスペースで充実して設備が魅力ですが、拘りが無ければシンプルなI型キッチンにしてオプションなども、最低限の設備にすることでコストを抑えられます。
キッチンの天板選びで参考になる記事を書きました。ご覧ください。
10、洗面カウンターと鏡だけにする
洗面化粧台には、キャビネットが組み込まれていて収納もできますが、コストを抑えるためにカウンターとボウルに給水設備だけのシンプルな造りにします。
カウンターの下はオープンにして、正面には大き目の鏡を配置して空間を広々と見せる演出をします。
洗面室内で洗面用品などの収納場所を別途検討する必要があります。
洗面所の床材選びで参考になる記事を書きました。ご覧ください。
11、壁の仕上げはクロスか塗装にする
内装の壁の仕上げは、漆喰や板張りにすれば重厚感が出てきますがコスト的に割高になる傾向があります。
クロス貼りでもデザイン性を重視した質感のある種類も豊富で、比較的安く仕上げることが可能です。
メンテナンス重視であれば塗装仕上げにすれば、塗り替えも容易ですがシンプルな印象になります。
クロス選びで参考になる記事を書きました。ご覧ください。
12、露出配管にする
トイレや浴室、キッチンなどの水回りは位置的に離れていれば配管距離が長くなります。
できるだけまとめた方が材料や施工費の削減に繋がります。
一般的には水道管は見栄えを重視して壁の中に埋め込まれていますが、水漏れなどのトラブルが発生しても点検や取り換えがしやすいように外部に露出させることでメンテナンス費用を抑えることができます。
・注文住宅コストダウンの事例まとめ
夢のマイホームを目の前にして奥様や子供たちの要望をまとめることは大変なことです。
面積が広くなり設備が充実されれば快適ですがコスト高になることは当然です。
自分たちの予算に合致した住宅で、無駄のない効率的な建物になればベストでしょう。
家族全員がコスト意識を持ちながら家づくりに参加することで、コストダウンに繋がります。
この事例が建築費を安くなるヒントになれば幸いです。
「住宅コストダウンのポイント」
1、コストの安い工法を選ぶ。
2、建物の大きさをコンパクトにする。
3、住宅は箱型にする。
4、コンクリート打ち放しにする。
5、屋根の形状はシンプルにする。
6、間仕切り壁を減らす。
7、キッチンは作り付けする。
8、天井を無くす。
9、システムキッチンはシンプルにする。
10、洗面カウンターと鏡だけにする。
11、壁の仕上げはクロスか塗装にする。
12、露出配管にする