zeh(ゼッチ)でマイホームを建てると補助金が受けられると聞かれて興味を持たれていらっしゃることでしょう。
どれくらいが相場なのでしょうか?
このような方へzehの特徴やメリット、デメリット、適正相場の調べ方を一緒に見ていきましょう。
・zehとは
最近よく耳にするzehとは「ゼロ・エネルギー・ハウス」のことでゼッチと呼びます。
住宅の断熱性能を高めて熱交換型換気扇や太陽光発電などを設置することで、冷暖房、給湯、換気、照明費を自宅で蓄えたエネルギーを利用することで光熱費をゼロにすることです。
日々の生活で無くてはならない電力により、室内を暖めたりお風呂に浸かって疲れを癒していますが電気量やガス代の消費は気になる所でゼロ・エネルギー・ハウスに興味を惹かれるポイントとなるのでしょう。
具体的にzehをマイホームに採用すると、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
・マイホームをzehにしたい
現在マイホームを計画中の方や現在の自宅をzehにリフォームしたいと考えている方もいらっしゃいますが、どのような目的でzehにしたいと思っているのかを紹介していきます。
1、光熱費を減らしたい
毎月の家計で一定金額支出していく光熱費は大きなウェイトを占めているので節約したい方には、ゼロ・エネルギー・ハウスは魅力的でしょう。
太陽光発電で取り込んだ電力を効率よく運用できるのですから言う事なしです。
2、補助金をもらいたい
政府が推進しているネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業があり、2020年を目標にして過半数の世帯に普及させて家庭内で使われているエネルギー消費量を正味ゼロにすることを掲げています。
平成30年度のネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)支援事業の内容は、戸建住宅をこれから建てられたり、建売住宅を購入する場合やお住まいの戸建住宅をZEHにリフォームされる方で条件が満たされた場合に適用されます。
・ZEH支援事業として補助額70万円と蓄電システム補助が最大で30万円もらえます。
・ZEH+実証事業であれば補助額115万円と蓄電システム補助が最大で45万円もらえます。
条件としてはZEH条件をクリアして、さらに25%以上エネルギー消費量を削減して、さらに高断熱にするか高度エネルギーマネジメントか、電気自動車の充電設備のどちらか2つをしなければなりません。
・先進的な再エネ熱利用導入による支援事業として補助額90万円がもらえます。
条件としてはCLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー)を構造上主要な床、壁、屋根に使用し、または地中熱利用技術、太陽熱利用技術を活用することが決まっていることなどです。
CLTか地中熱ヒートポンプシステムかPVTシステムのどれかを採用しなければなりません。
詳細についてはzehビルダー登録されているハウスメーカーなどに確認されて下さい。
3、地球環境に配慮したい
自宅をzehにすることで消費エネルギーを大切にする意識を高めることで、間接的にでも地球温暖化対策に貢献できます。
1世帯では僅かなエネルギーでも普及していけば、地域の何百世帯から広がり国内の数千万世帯になれば莫大なエネルギーとなるのです。
4、災害時の停電対策をしたい
ゼロエネルギーハウスは電力の自給自足をすることになるので、一般家庭で地震や自然災害で地域が停電していても蓄えた電力を利用することで普段と変わらない生活が送れます。
当然家屋自体が直接的に被災した場合は当てはまりませんが、緊急時の電力供給システムとして見直されています。
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5、電気自動車と連動したい
電気自動車の電力を自宅から供給することをV2H「Vehicle to Home」と言いますが、大容量の蓄電池を備えることで家庭でも利用でき、災害時の自家用車への燃料不足時でも電気自動車(EV)であれば電力を供給できるので安心です。
zehの太陽光発電とV2Hを組み合わせることで、昼間に発電した電力をEVに貯めておき夜間はその電力を使えるのでで安心でしょう。
・zehは良いことばかりではない
1、補助金の基準が厳格
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスで補助金を受けるには、複数の条件をクリアしなければなりません。
自宅で実際に使われる消費エネルギーを基準値よりも省エネ効果で20%以上は削減して、太陽光発電システムの電力を使用しなければなりません。
決められた空調設備や換気、照明などを設置することも条件となっています。
HEMS(ホーム エネルギー マネジメント システム)によりエネルギー量を管理することも含まれていて詳細については事前に確認されて下さい。
2、工事費が高くなる
一般の住宅と比較するとネット・ゼロ・エネルギー・ハウスは、基準を満たすために断熱性能を高め、樹脂サッシや熱交換型の換気扇設置や太陽光発電システム導入で規模にもよりますが300万円以上はイニシャルコストが掛かります。
最終的には光熱費を節約できるし、余った電気を売ることができるので長期的に見れば回収できるでしょう。
ただ将来的には売電収入がどのように変更されるのか不透明な状況です。
住宅の費用を抑えたい方に読まれている記事です。
3、地域により効果にバラツキがある
国内で比べても夏場に台風の進路になりやすい地域であれば、太陽光発電パネルへの影響を考慮して補強をする必要もあるでしょうし寿命にも影響を与えるでしょう。
冬季であれば太陽光発電パネルに積雪があれば、太陽光からのエネルギーの蓄えが減少したりトラブルが予想されます。
地域のマイナス要因を考慮して対策費用も算出する必要があります。
・zehの相場を知り成功するポイント
1、zehビルダー登録
ゼロエネルギーハウスを建築する際に補助金を受けるには「zehビルダー登録」に登録されている注文住宅会社やハウスメーカー、工務店でなければ依頼することができないので注意が必要です。
「環境共創イニシアチブ」のホームページで登録されている会社を調べることができます。
2、zehの施工実績
zehで補助金を受けるには、消費エネルギーを基準値よりも20%以上を削減して太陽光発電システムで電力を賄う建物にしなければなりません。
HEMS(ホーム エネルギー マネジメント システム)を導入してエネルギー量を計測したり制約も多く、zehのことを熟知していないとトラブルが発生する可能性が高いです。
ハウスメーカーであればシステムが構築されているので安心できるでしょう。
注文住宅でゼロ・エネルギー・ハウスにするのであれば、設計事務所や施工を担当する工務店などはzehの施工実績があり引き渡し後も不具合などが発生していないか施主に確認された方が良いでしょう。
3、zehの相場を調べる
ご自分が希望している地域で評判がいいzehを建築できる会社を3社選び見積もりを依頼します。
建物の構造や基本的な間取りのプランは、概略でも事前に決められているとスムーズに進められるでしょう。
あとは大手の住宅会社やハウスメーカー3社程度選び見積もりを依頼します。
実績が豊富なので蓄電システムや太陽光発電システム、V2H「Vehicle to Home」、(ホーム エネルギー マネジメント システム)などの最適な組み合わせを提案してもらえるでしょう。
ご自分で住宅会社に直接連絡することが苦手な方でも利用しやすいサービスがあります。
実績のある業者の間取りプランや見積もりを無料でもらうことができるので大変助かります。
優良会社ばかりなので安心して利用できます。
見積もりを比べる
地元の業者3社と大手のハウスメーカーなどの3社の計6社の見積もりが揃ったら、一般的な住宅の項目とzehに関連する項目を分けましょう。
できれば事前に見積書の項目の並びを決められた方が見やすいです。
zehに関連する項目を比較して項目漏れが無いか、余計な項目が含まれていないかチェックします。
1式でまとめられたり詳細が不明な場合には確認して、再度見積もりを提出してもらいます。
これでzehに関連する太陽光発電システムや建物の断熱工事単体の数量や単価を知ることができます。
明らかに金額が高かったり逆に安すぎるのも心配です。
できればエクセルなどで表にまとめれば簡単に平均金額を算出できて便利です。
4、zehの施工会社を決める
相場が分かれば見積書の項目漏れがなくて予算に一番近い会社に決めることになります。
ただ金額は複数あるチェック項目の1つでしかありません。
施工能力や会社の経営状態、評判や実績などを含めてトータルで判断しなければなりません。
今回はzehに関する部分ですが、それ以外の建物の構造体や内外装の仕上げなど各会社の独自性や金額も様々なので、最終的には家族で相談されて最終決定された方が宜しいでしょう。
・zehシュミレーションのまとめ
将来的なことを考えるとzehは魅力的ですが、zehビルダー登録されている設計事務所や工務店でも施工実績が乏しい場合もあるので自分なりに調べる必要があります。
金額についてはzehにした場合と一般的な戸建てとをシュミレーションして、違いを明確にすることで選びやすくなります。
メリット、デメリットを把握することでマイホームのゼロ・エネルギー・ハウス化は成功するでしょう。