マイホームの屋根をデザイン的に好きなガルバリウム鋼板にしたいと思っていますが、金属なのでサビの心配や断熱効果が気になっています。
そんな方へ選び方を間違わないように特徴や種類を紹介しますので判断材料として一緒に見ていきましょう。
・ガルバリウム鋼板屋根のメリット
1、メッキ処理で寿命が長い
鋼板の表面をメッキ処理されているガルバリウム鋼板は、55%のアルミニウムと43.4%亜鉛に1.6%シリコンが混入されていて亜鉛メッキ処理だけの屋根材と比べると、3倍~6倍はサビ難く耐久性が高い屋根材です。
寿命は塩害やメンテナンスの頻度によりますが20年から30年程度です。
ジンカリウム鋼板なら錆び難く30年から50年程度の寿命になるでしょう。
屋根材の保証期間は重要なのでグレードやメーカーにより異なるので確認が必要です。
様々な色が選べるので自分の好みに合わせることができるでしょう。
2、屋根を軽くできる
建物本体の耐震性能を向上させるために強固にして、屋根を軽量化することでバランスを保つ方法がありますが、瓦のおよそ1/7~1/8の重さになるガルバリウム鋼板の屋根は、軽量化の観点では最適な屋根材だと言えるでしょう。
地震に強い家づくりをお考えの方へ参考になる記事を書きました。ご覧ください。
3、自由な形状に加工できる
他の屋根材と比べると鋼製なので加工性が高く、デザインを重視した外観を造ることが可能で瓦調葺きもあるので選択肢の幅が広がります。
4、コストパフォーマンスが高い
他の屋根材と比較すると経済的で定期的なメンテナンスを怠らなければ、耐用年数も長くなるので更にコストパフォーマンスが高くなります。
・ガルバリウム鋼板屋根のデメリット
1、切断面が錆びやすい
メッキ処理は切断すると剥がれてしまうのでその部分は錆びやすいでしょう。
屋根専門業者がガルバリウム鋼板の施工に慣れていないと、資材の搬入時や施工時にぶつけたり擦ってしまいキズを作り、サビを発生させる原因を招くことがあるので注意が必要です。
強風で飛散物が表面に当たってキズがついたり、塩害などによるもらいサビがあり定期的な洗浄が必要でしょう。
材料の保証期間が経過したら塗装により表面保護することで寿命が伸ばすことができます。
放置しているとキズから赤錆びが発生し、酷くなると穴が開いてしまい補修が難しくなるので日頃からチェックが必要でしょう。
2、施工不良による雨漏り
ガルバリウム鋼板の専門業者でないと、屋根の棟部分や谷部分の施工不良で雨仕舞ができずに、接合部分をコーキングだけに頼ってしまうので劣化すると防水性能が低下すると雨水が侵入しまうことがあります。
雨漏りの発見が遅れる場合もあり通常の雨では漏れなくても、台風や雨風が厳しい時に風圧により屋根の隙間から押し込まれて室内へ雨漏りするケースもあるので、普段からチェックをして気になる部分は施工業者に点検してもらうと良いでしょう。
発見が遅れてしまうと天井や壁の木下地を濡らしてしまい、腐れや湿気によるカビの発生が拡大してしまうので注意が必要です。
デザイン性を優先して複雑な形状の谷や棟が多い屋根形状の場合には、施工業者の技術力が重要になるので施工実績や以前に雨漏り被害などがないか確かめて起きましょう。
3、断熱処理が必要
ガルバリウム鋼板自体では、熱伝導率が高いので断熱材による対策が必要となります。
断熱材が裏打ちされていて、屋根材とルーフィングの間に空気層を造り、屋根裏に空気の流入口を設置するなどすることで断熱効果を向上できます。
最初から断熱性能を高めたいのであれば、表面が遮熱コーティングされたガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板などが向いているでしょう。
4、雨音が響きやすい
瓦などと比べるとガルバリウム鋼板単体では雨音が響きやすいので、室内の遮音性能を上げるために天井裏での防音処理が必要となります。
雨音が気になるのであれば断熱材が裏打ちされた製品は音が軽減されるでしょう。
最初から遮音性能を高めたいのであれば、ジンカリウム鋼板が向いています。
ハウスメーカーに見積もりを依頼される方に読まれている記事があります。
・ガルバリウム鋼板の種類
ガルバリウム鋼板
現場に合わせて事前に工場で加工することで現場での作業効率が高いです。
断熱材の裏打ちが無いので雨音の遮音対策が必要でしょう。
棟から屋根勾配に沿って材料を配置していく縦葺き工法は、雨水の流れがスムーズで材料の割り付けがしやすく切無駄が少ないのでコスト的に有利になります。
棟と平行に材料を配置していく横葺き工法は、一般的に採用されている人気の工法です。
【価格】6,000円/㎡~8,000円/㎡
ジンカリウム鋼板(天然石粒付ガルバリウム)
ジンカリウム鋼板とは表面が小さな砂状の石粒で保護されていて、表面のデコボコで熱を伝わり難くしたり、雨を散らすことで断熱性や遮音性、耐久性が向上されている屋根材です。
再塗装の必要性が無いので通常のガルバリウム鋼板よりもメンテナンスが軽減できるでしょう。
【価格】9,000円~12,000円 / ㎡(材工費)
成型ガルバリウム鋼板(瓦調葺き)
ガルバリウム鋼板を瓦の形状に加工し、断熱材が裏打ちされている材料で瓦のように割れることが無いので人気の屋根材です。
メーカーにより形状や塗膜、鋼板の厚みも様々なのでコストも含めて総合的に比較しましょう。
【価格】10,000円~14,000円 / ㎡(材工費)
ガルバリウム鋼板の瓦棒葺き
ロール状になった長尺のガルバリウム鋼板を現場加工することで、限られたスペースでも屋根葺きができることが特徴です。
断熱材の裏打ちが無い事と雨音の遮音対策が必要になります。
【価格】6,000円~7,000円 / ㎡(材工費)
・ガルバリウム鋼板の縦葺きと横葺きを比較
ガルバリウム鋼板の施工は縦葺きと横葺きがありそれぞれに特徴があり理解する必要があります。
地面に対して平行に屋根材を葺いていくのが横葺きとなり、地面に対して垂直方向に葺いていくのが縦葺きとなります。
縦葺き
メリット
雨水の流れがいい
雨が屋根に降り注ぐと引っかかりが無い状態なのでスムーズに雨水を排水できます。
勾配を緩くできる
水はけが良いので勾配を緩くすることができます。
劣化しずらい
雨水がその場に滞留する時間が短いので劣化が遅くなります。
コストが安くなる
材料のロスが少なく施工費は横葺きと比べると安くなります。
デザインを楽しめる
ドーム型の曲線形状に対応できます。
デメリット
断熱施工が必要
断熱材が裏打ちされていないので天井裏で断熱材を敷き込む必要があります。
横葺き
メリット
スッキリした見た目
縦葺きよりも凹凸が目立たないのですっきりとした印象が得られます。
遮音効果が期待
断熱材が一体になっているので遮音効果があります。
デメリット
勾配に制限がある
縦葺きと比較すると雨水の流れがジョイントの段差が障害となり劣るので勾配をきつくしなければなりません。
雨漏りの不安
縦葺きと比べると棟部分や接続部分からの雨漏りが起きる可能性が高いでしょう。
実績のある熟練の職人が施工すれば漏水の心配はなくなります。
・屋根ガルバリウム鋼板のまとめ
ガルバリウム鋼板の種類やメリット、デメリットを知ることでマイホームの屋根材選びで後悔しないで済みます。
価格やデザイン性以外の耐久性であったりメンテナンスの必要性など、ライフスタイルに影響を及ぼすことなので慎重に比較検討して間違いのないガルバリウム鋼板を選びましょう。