モデルハウスには種類があり、仮設的な建物の中に内装だけが再現されているものから、分譲マンションのようにモデルルーム自体を最終的に販売する場合もあり販売会社により様々です。
雰囲気に呑まれて失敗しないための、モデルハウスを見学する注意ポイントを紹介します。
・モデルハウスと現実は違う
住宅展示場にあるモデルハウスやモデルルームは、一戸建てやマンションを購入する目的で見学に来られた方々をターゲットに再現されています。
間取りも広めでキッチンのグレードも良く、オプションも装備されていて高級感が漂っています。
抜群のセンスで高級家具などがバランス良く配置されていて、そんなモデルハウスに憧れてしまうのも仕方がありません。
そこで冷静になってもらいたいのが、モデルハウスと実際にご自分が購入する予定の住宅は、同じではないと言うことです。
間取りの広さや仕上げ材も標準仕様になれば、見栄えも異なり建築する場所や、マンションであれば階数により日当たりも違います。
モデルハウスに執着しすぎると住宅が完成して入居した時のギャップで後悔することになります。
・後悔しないモデルハウス見学の注意点
室内のイメージを掴む
ご自分が希望している間取りプランのモデルハウスであれば、空間的なイメージも掴めますがそうでない場合には、あくまでも天井材や壁、床材の質感を確かめることに重点を置きます。
システムキッチンやユニットバスなどの設備機器などのオプションは、追加費用になることを自覚しておきましょう。
日当たりや眺望は違う
住宅展示場にあるモデルハウスは日照を考慮して建てられていますし、マンションの高層階の角部屋であれば風通しも良いでしょう。
しかしご自分が購入予定の敷地に建築した場合はどうでしょうか?
マンションも低層階の中部屋では日当たりはどうなりますか?
当然ながらモデルハウスよりは条件は悪くなります。
このことを考慮しながら見学することが大切です。
営業担当者のペースに乗らない
モデルハウスに見学に訪れた時に、バリバリの住宅販売員が物件の良さを猛烈にアピールしてくることがあります。
デザイン性の高い優雅な雰囲気が合わさって、冷静さを失い聞き手に廻ってしまうのです。
ですから事前に確認することを決めて、こちらのペースで質問攻めにしましょう。
それぞれの住宅展示場にあるモデルハウスでも同様に、確認してメモっておけば後で比較検討しやすいです。
部屋の広さ
玄関ホールやリビング、キッチン、寝室などの各部屋の広さが希望通りか確認します。
できればメジャーで内寸を測りパンフレットなどに書き込んで、現在の住まいで使っている家具や新たに購入する予定の家具を配置しすれば、極端に狭くならないかなどもチェックできます。
収納スペース
各部屋の収納やウォークインクローゼット、トランクルームなどのスペースが足りているかを確認します。
生活していると物は増える一方なので、できるだけ収納は余裕を持って確保しましょう。
設備機器
システムキッチンやユニットバス、洗面室、トイレなどの仕上げ面の質感や使用感を触って確かめます。
毎日使うスペースなので家族の意見を集約してチェックしましょう。
値引きが可能か
分譲マンションなどのモデルルームの場合には、最終的な販売世帯となることがあるので値引きができるか聞いてみましょう。
家族連れで訪れることが多いのでキズや汚れなどが残る場合があります。
部分補修では完全に修復できないので、躊躇しないで値引き交渉しましょう。
それが難しければ展示されている家具をサービスしてもらえる可能性もあります。
毎月の支払い金額
自分で銀行へ住宅ローンの相談に出掛けると手間が掛かり大変ですが、販売会社が提携している銀行なら、住宅ローンのシュミレーションを手早くしてもらえます。
このくらいの年収なら頭金がどれくらい必要で、毎月の返済額が何万円などと算出してもらうことができます。
提携している金融機関により金利や借入金額が変ってくるので比較検討して有利に進めましょう。
物件パンフレット
モデルハウスで備え付けのパンフレットやチラシなどに記載されていて、特に気になる事項は直接確認しましょう。
例えば建物の構造や耐震性能、断熱性能、遮音、防犯面や地域環境などを聞き取り、パンフレット上でチェックを入れることで聞き漏らすことが無くなります。
設計変更が可能か
間取りや仕上げ材、機器関係の仕様を変更できるのか確かめます。
間仕切りを増やして部屋数を増やしたり、逆に部屋数を減らして大広間にしたりすることなどがありますが、その際には変更費用が発生するのか、変更受付期限がいつまでなのかなども確認することで、家族の要望を反映させられる可能性が広がります。
追加工事について知りたい情報がある記事です。
普段見れない部分
住宅の屋根材や構造体、内部の天井、壁、床の鋼製や木製の下地材サンプルを直接手に取り確認します。
完成してしまうと見えなくなる部分なので、自宅の構造などを誰にでも教えられるように説明を受けましょう。
気に入ったら写真に残す
機器や収納などで気に入った箇所は撮影して家族に見てもらいましょう。
当然販売会社の了解を得る必要がありますがイメージを誰かに伝えるのは写真が一番です。
元々の土地形態
建築予定の敷地が依然どのような状態だったのか確認します。
畑や沼地などで支持力が弱い地盤や、何らかの公害で汚染されている可能性があれば考え直さないといけません。
優先する施設
家族構成により幼稚園や学校、総合病院やスーパーなどの商業施設、バス停や駅などの優先的に必要な施設からの距離や徒歩、車両での移動時間を確認します。
モデルハウスを見学する時には、斬新なデザインや高級感に惑わされて何もかもが素晴らしく思えてきます。
注意事項を頭に入れながらモデルハウスで質問を畳み掛けることで自分たちのペースに持っていきましょう。
・モデルハウスの見学まとめ
マイホームへの憧れで住宅展示場へ足を運ばれて、実際に目で見て触って確かめることは重要なことです。
「広いなぁ~」とか「豪華だね~」などの外見だけに惑わされないで目的を持って見学されて下さい。
中にはモデルハウスでの営業担当者が苦手な方もいらっしゃるでしょうが、注意点をご家族で確認されて実践することで理想のマイホームを手に入れることができるでしょう。
「後悔しないモデルハウス見学の注意点」
1、室内の天井材や壁、床材の質感を確かめる。
2、モデルハウスの日当たりや眺望と現実は異なる。
3、営業担当者のペースに乗らないでこちらのペースで質問攻めにする。
「モデルハウスで確認すること」
1、各部屋の広さをメジャーで内寸を測ってパンフレットなどに書き込む。
2、収納スペースが足りているか確認する。
3、システムキッチンやユニットバスなどの質感や使用感を確かめる。
4、分譲マンションのモデルルームの場合に値引きができるか確認する。
5、販売会社が提携している銀行などの住宅ローンでシュミレーションしてもらう。
6、物件パンフレット建物の構造や耐震性能、断熱性能、防犯面や地域環境などを確認する。
7、間取りや仕上げ材、機器関係の仕様を変更可能か確かめる。
8、屋根材や構造体、内部の天井、壁、床の下地材サンプルを確認する。
9、機器や収納などで気になる部分は許可を得てから撮影する。
10、建築予定の敷地が依然どのような状態だったのか確認する。
11、学校、総合病院や商業施設、バス停や駅までの距離や移動時間を確認する。