マイホームを計画されることで、窓のタイプについて真剣に考えられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どのような窓があり、どのような特徴があるのか一緒に見ていきましょう。
・どんなタイプの窓があるのか?
一般的に採用されている引違い窓や滑り出し窓以外にも使い勝手やデザイン性により、部屋に合った窓の使い分けをすることができるのです。
引違い窓
内障子と外障子を自由にスライドして開閉できる馴染みのある窓です。
リビングから庭へ出入りする際もこの引違い窓の掃き出し窓タイプが使われています。
掃除がしやすくシンプルな構造なので壊れにくいです。
両引き窓
4枚障子で中央から左右にスライドさせて開閉する窓です。
片引き窓
障子が固定されていて片側の障子だけ開閉できる窓です。
両開き窓
縦軸により左右の窓を外側に開くことができる窓です。
内開きも製作でき角度調整も可能です。
片開き窓
縦軸により左右の窓どちらか1ヵ所を外側に開くことができる窓です。
内開きも製作でき角度調整が可能です。
出 窓
建物の外壁ラインよりも突き出した窓で平面では長方形や多角形などで、正面を引違窓や両開き窓にして側面をFIX窓に組み合わせたり自由に設計できます。
床からの高さを30cm以上にして出窓の張り出し寸法が50cm以上でなく、出窓部分の見つけ面積の1/2以上の窓などの条件をクリアするこで、建築面積に含まれないので賢く使えば室内空間が出窓分広くなるので奥行きが生まれます。
上げ下げ窓
幅の狭い縦長の開口で障子を上下にスライドさせて開閉することができる窓です。
上部をFIX窓にして下部だけ可動させたり上下共に可動させるタイプもあります。
横滑り出し窓
戸の下側を押し出すと縦枠にそって窓の横軸が上下にスライドするタイプの窓です。
開閉角度を調整することが可能なので視線を遮れ浴室や脱衣室に向いています。
縦滑り出し窓
戸の先端を押し出すと上下の枠にそって窓の縦軸が左右にスライドするタイプの窓です。
開閉角度を調整することが可能で最大で90℃になり風を取り込みやすいです。
外倒し窓
戸の下側を支点にして外側へ倒れるように開閉する窓です。
角度的に雨が吹き込み易い傾向にあります。
内倒し窓
戸の下側を支点にして内側へ引き込むように開閉する窓です。
水平回転窓
戸の中央横軸に対して先端を可動させることで回転により開閉できる窓です。
回転するので掃除はしやすいですが網戸の設置は制限されます。
ガラスルーバー窓(ジャロジー)
ルーバーをガラス板で重ねることで形成する窓でハンドルで開閉できるタイプの窓です。
トイレやキッチンなどに設置される換気目的で採用される場合が多いです。
型板ガラスのルーバーにすることで直接の視線をコントロールできます。
防犯性能や気密性はあまり期待できません。
オーニング窓
複数の戸を縦方向に連携させることでハンドル操作により同時に横軸を支点にして同時に開閉できる窓です。
開閉角度を調整することが可能です。
FIX窓
ガラスをはめ込んだ単体の窓で開閉することはできません。
採光を取り込む目的で見た目もシンプルな印象を与えます。
開閉できないので換気ができず外面の掃除が難しいでしょう。
天 窓
採光を取るために屋根面に設置するFIX窓ですが組み合わせにより可動させることも可能です。
建物の中央部分で側面からの採光が限られている時に効果を発揮するタイプの窓です。
屋根面に設置するので雨仕舞に注意する必要があるのでメンテナンスは欠かせません。
天窓をお考えであれば参考になる記事です。
・サッシの材質は?
窓はアルミ製の枠を組み立てることで形成されていますが、用途によって材質を変えたり性能も違ってくるので使い分けることができます。
アルミサッシ
アルミ製の窓で最も普及しているサッシです。
軽量で防火性が高く錆びずらいですが結露を発生する傾向にあります。
防音サッシ
外部からの音を防いだり内部の音が逆に外部へ漏れることを軽減できる遮音性能に優れたサッシです。
木製サッシ
木質を活かして独特の風合いを醸し出しますが、腐食や変形などが見られることがあります。
性能を向上させた製品も開発されています。
樹脂サッシ
樹脂で枠組みされているので気密性や断熱性能に優れたサッシです。
アルミと比べると強度は劣りますが複層ガラスとの相性が良く性能を発揮します。
・窓に取り付ける硝子の特徴
一般的には透明のフロートガラスや場所によっては、法的に必要な網入りガラスなどはよく見られますが用途によって使い分けることができます。
フロートガラス
ほとんどの住宅で採用されている透明の硝子です。
曇りガラス
表面を加工して曇り状にした硝子です。
型板ガラス
表面を滑らかに凹凸を付けることで視認性に制限を設けた硝子です。
トイレや道路側の窓に採用されています。
網入りガラス
金属の網を挿入した硝子です。
挿入されたワイヤーがガラスを結束して火災が発生しても飛び散らないように制御します。
複層ガラス
硝子を合せることで空気を凝縮して断熱性能を向上させ結露を防ぐ硝子です。
遮熱複層ガラス
硝子面に特殊な金属コーティングをすることで太陽光を弾くタイプの硝子です。
強化ガラス
熱処理により一般の硝子の強度を3倍に向上させて衝撃や熱に強い特性があります。
破損時には細かくなり断面が尖らないように安全面が考慮されています。
・窓を選ぶ注意ポイント
設計段階で間取りについては議論を交わしますが、窓のタイプについては設計士にお任せな場合が多いのではないでしょうか。
窓は機能性やデザイン、使い勝手など特徴があるので選択肢を広げることができます。
1、外部の見栄え
室内からの使い勝手や構造体や内装との絡みで、開口部の高さやサイズを優先的に決められる場合が多いでしょう。
外観が不揃いで違和感を覚える時があるのでバランスを調整することで見栄えを良くすることが可能です。
2、小さな部屋の窓
小さな部屋の場合に、引違窓を1ヵ所だけ配置する場合が多いようですが風の通りを考えると好ましくないので採光が制限されても縦長の窓を数ヵ所設置することで風の抜けが格段に変化します。
風通しで悩まれているなら参考になる記事です。
3、光を取り込む縦長窓
部屋の奥まで光を取り込みたいのであれば同じ面積の横長窓よりも縦長窓の方が有利に働きます。
4、プライバシーを守る横長窓
外部からの視線が気になるのであれば横長窓を天井いっぱいに設置すればプライバシーを確保しながらも天井に反射させながら採光を得られます。
5、防犯性能を確保する
建物の1階部分で視線が遮られる裏側であれば開口部に雨戸や面格子を設置することで、空き巣を手こずらせることが防犯上効果的ですが、窓のタイプによっては設置が制限されるので注意が必要です。
どうしても目的の窓を設置したいのであれば防犯ガラスとの組み合わせを検討されるのも一つの方法でしょう。
6、操作性を確認する
一般的な引違窓であれば、どなたでも開閉した経験をお持ちでしょうが縦滑り出し窓や水平回転窓などイメージが湧かないと思います。
操作性や視認性も含めて実物をサッシメーカーのショールームやモデルハウスで体験されることをお勧めします。
7、こだわりの窓
旦那さんであれば趣味の部屋、奥さんであれば家事室や台所などでゆったりと外の風景や庭などを眺めることができる、こだわりの窓を造って見てはどうでしょうか。
窓の形状や設置高さ、サイズに至るまで納得できるまで業者と打ち合わせをして決めるのです。
何度もシュミレーションを繰り返すことで、しっくりくる寛ぎの窓が見つかることでしょう。
8、窓でアクセントをつける
リビングや階段、子供部屋などでアクセントになる窓を付けたら面白いでしょう。
窓の枠の色は選ぶことは可能なのでアクセント的に小さな窓を設置することも可能です。
窓のサイズは自由に決めることもできるので、住宅会社の担当者は面倒に思うでしょうが相談してみてはどうでしょう。
法的な問題やコスト面をクリアできれば自分が思いついたオリジナルの窓ができるかもしれません。
・住宅窓の種類まとめ
マイホームの窓は、ほとんど住宅会社にお任せの場合が多いでしょう。
窓には特徴があり使い勝手や性能も様々でガラスとの組わせで多様化しています。
自分のこだわりの窓をマイホームに取り入れることで、更に快適な居住空間になることでしょう。
家族と話し合い好みの窓を提案してみてはどうですか。