住宅の建築工法の比較はとても重要なことです。
これから一生暮らすことになるであろうマイホームの工法や構造が分からないと適正に比べることができません。
建築の素人でも分かりやすいように説明していきます。
・住宅の構造や工法がわからない
日本では木造軸組工法で自宅を建築される方が多いようですが、他の工法や構造が分かれば選択肢が広がります。
ツーバイフォー工法や鉄筋コンクリート造など聞いたことはあるけども、どんなメリットや注意点があるのか知らないのに、建築士や住宅会社の営業マンに勧められる通りすぐに決めてしまうことがあるようです。
後で後悔しないためにも、それぞれの工法の特徴を理解することで納得できる家づくりができると思います。
一緒に住宅の構造や工法について見ていきましょう。
モデルハウスの見学で注意した方が良いポイントを記事にしています。ご参考ください。
・構造や工法の特徴
木造軸組工法
国内に最も多い住宅の工法で歴史ある神社仏閣なども木造建築です。
天然の木材を使うので自然に優しい工法と言えます。
通し柱に梁を渡して、胴差しや筋交いの木材を組み合わせて、棟木を載せて金物で補強することで骨組みを形成していきます。
《メリット》
木材は呼吸するので通気性が高い。
間取りの設定やリフォームしやすい。
《デメリット》
大工さんの力量で仕上がりに差が出る。
対策をしないとシロアリの被害に遭う。
気密性、遮音性が劣る。
耐震性に配慮する必要がある。
大きな空間が作りずらい
台風に弱い。
ツーバイフォー工法(2×4)
北米で普及していて効率よく家を建てるために開発された工法です。
2インチ(38㎜)×4インチ(89㎜)の角材を主に使うので2×4工法と呼ばれています。
上枠、下枠、竪枠と構造用合板が一体となり壁体パネルを建て起こして外周から箱を形成することで強度を発揮します。
《メリット》
耐震性に優れ、気密性、耐火性、断熱性が高い。
木造軸組工法より規格化されていて工期が短い。
仕上がりのバラツキが少ない。
《デメリット》
自重を璧面で支えるので、パネルの面積に制限が掛かり間取りの変更がしずらい。
水蒸気による結露がしやすい。
鉄筋コンクリート造
これは鉄筋コンクリート造の床部分のスラブ枠に鉄筋を配置した状況です。
高層階、中層階の建築物に多く使われているのが鉄筋コンクリート造でが、鉄筋の引っ張りの強さとコンクリートの圧縮に強い利点を、組み合わて高耐久を実現しています。
自重があるので木造よりも基礎はしっかりしていて、柱、梁、床の鉄筋を組み立てて型枠で囲みコンクリートを流し込みます。
柱と梁を組み合わせるラーメン構造と、低層住宅に多い壁式構造は柱や梁型が出っ張らない分室内空間が広いです。
木造軸組工法の基礎も鉄筋コンクリート造で施工されています。
《メリット》
耐震性、耐火性、耐久性が高い。
設計の幅が広い。
《デメリット》
コンクリートの養生期間が必要なので工期が長くなる。
工事コストが高くなる。
壁式構造の場合には内部の壁を移動できない。
軽量鉄骨造
角形鋼管、H形鋼の薄い鋼材をボルト接合で組み立て筋交いで支えることで強度を発揮します。
《メリット》
工期が短い
柱の間隔を広くできる
耐震性に優れているが他の工法と比較すると揺れる傾向がある。
《デメリット》
鉄骨に防塵処理が必要となる。
結露が生じやすい。
耐力壁は筋交いがあり移動できない。
火災時には温度上昇で強度が落ちる。
プレハブ工法
工業化住宅で工場で事前に製造されていて、現場施工を極力減らす工夫がなされています。
パネル工法やユニット工法、鉄骨プレハブ工法などがあり品質が安定していて工期が短いものが多いです。
《メリット》
工期が短い。
工場生産なので品質のバラツキが少ない。
メーカーによりそれぞれの優位点がある。
《デメリット》
デザインや間取りの制限がある。
リフォームが難しい。
欠陥住宅で後悔したくない方に参考になる記事です。ご参考ください。
・建築工法のデメリットを克服する
木造軸組工法
価格重視でなくコストが多少高くなっても木造の施工実績が豊富な業者を選定することで満足できる仕上がりになるでしょう。
シロアリ防除が保証されていて耐震性が高い構造のメーカーを選びます。
騒音が気になるのであれば部分的にでも防音対策をすることも可能でしょう。
ツーバイフォー工法(2×4)
理想とする間取りに近いプランを選びますが納得できない場合には、他のツーバイフォー工法のメーカーも選択肢に入れて検討しましょう。
鉄筋コンクリート造
仕事やお子様の学校の関係で完成時期が決まっているのであれば計画を早期に実施しする必要があるでしょう。
鉄筋コンクリート造の標準的な工程表を事前に確認して、工期を逆算することで着手時期が明確になり工期内に完成できます。
どうしても工期を短くしたい方は他の工法を選ばれた方が良いでしょう。
コストについては建物の強度や寿命も加味することで工事費の妥当性も分かってきます。
予算が厳しい場合には、仕上げのレベルを削るなどしてコスト削減することは可能です。
軽量鉄骨造
鉄骨の錆や火災時の強度低下については、ハウスメーカーの仕様によりクリアしているので各会社の特徴を比較検討することで解消できるでしょう。
間取りに自由な変更ができない場合があるので事前に希望するプランと標準仕様のプランを比較して妥協できるのか確認します。
プレハブ工法
自由な間取りにすることは難しいと思うので標準的なプランをいくつか確認されて、納得できるならいいですが不満があるなら別の工法を検討しましょう。
構造体を触らない程度の表面的なリフォームや設備の取り換えくらいなら支障はありません。
・住宅の建築工法を決めるポイント
1、外観デザインが好みか
木造軸組工法と鉄筋コンクリート造、プレハブ工法では外観の見栄えが違ってきます。
構造部材の形状や大きさにより印象が違うので、事前に家族でパンフレットやモデルハウスなどを見学して選定しましょう。
一つの構造に決めないで、あらゆる工法や構造の住宅をできる限り数多く見て決めて下さい。
2、工期が家族に合っているか
新居での生活ができるように工期が決まり、逆算して着工しなければなりません。
木造軸組工法と鉄筋コンクリート造では、工期がかなり違ってくるので新年や新年度に合わせて入居したいのであれば、工期も構造を選ぶ一つの要因になります。
3、予算に収まるか
土地の取得費用も含めてマイホーム資金を確保するために、頭を悩ます部分ですが工法により坪単価は大きく異なります。
住宅ローンの借入期間も構造により変ってくるので総合的に判断する必要があります。
住宅ローンの利用をお考えの方に参考になる記事を書きました。
4、増改築しやすいか
構造によっては間取り変更に制約が掛かる場合もあるので、将来的に階数や部屋を増やしたいのであれば、増改築がしやすい工法を選んでください。
5、地盤に合っているか
建築予定の土地が元々畑であったり沼地などの場合には、軟弱地盤なので地耐力が足りない場合があります。
建物の骨組みが重たい工法であれば、地盤改良や杭などを施工する可能性があり、コストアップの要因となります。
土地探しをお考えの方に参考になる記事があります。
6、望んでいる性能か
耐久性や耐震性、気密性や断熱性など工法により性能が違ってくるので、どの性能を優先するのかで見極めましょう。
・建築工法比較のまとめ
住宅建築の工法や構造を理解いただけたと思いますが、大切なのは何を優先にマイホームを建築されるかです。
経済的で耐久性や品質が高く、工期も短い住宅が理想かもしれませんが現実的には難しいでしょう。
どうしても妥協できないポイントを比較して絞り込み、どこまで妥協できるか話し合うことで後悔のない工法や構造を選ぶことが可能となるのです。
それと注文住宅会社やハウスメーカーなどの施工業者にはそれぞれ得意とする工法や構造があるので見極めることも大切でしょう。
ハウスメーカーの見積りやプランを無料でもらえるサービスがあるので記事にしました。ご参考ください。