ハウスメーカーによって坪単価がバラバラでどれを信用していいのか分からない。
そんな方へ坪単価の計算方法と坪単価を抑えることができるポイントを紹介します。
・坪単価は住宅の全てでは無い
注文住宅会社の広告で表示されている坪単価には、リビングの豪華なシャンデリアは含めれているのでしょうか?
お隣との境にある境界塀とカラーフェンスはどうでしょうか?
答えは坪単価に含まれていないでしょう。
カタログなどでハウスメーカーなどが表示している坪単価は建物の本体価格です。
業者により工事範囲の違いはありますが住宅以外の付属部分などは別途工事となります。
・どのような別途工事があるの?
一般的な別途工事の例を記載しましたが、業者によって含まれていたり逆に除外される工事がある場合もあるのでハウスメーカーなどの担当者に詳細を確認されて下さい。
外構工事
境界塀や門扉、カーポート、花壇や植栽などアプローチの階段やスロープなどです。
外構にある階段の作り方にについて参考になる記事です。
既設の建物解体費用
建て替えの場合には、基にあった住宅を解体して撤去搬出する必要があります。
構造にもよりますが解体に伴う仮設工事や産業廃棄物として適正処分するのでその費用も含まれます。
基礎の地盤改良費用
建物の基礎を造る地盤が軟弱で支持力が不十分な場合には、杭を施工したり地盤を改良する必要があります。
土地選びのポイントについて参考になる記事です。
住宅のオプション
システムキッチンの本体と吊り棚は、本体工事に含まれる場合が多いですが食洗機や食器棚などはオプションとして別途工事になります。
造り付けの収納家具
各部屋の標準的な収納スペースは確保されていますが、それ以外の造り付けの収納家具などは含まれていない場合が多いでしょう。
設備関連工事費
電気設備であればメインとなる部屋の照明器具は好みに合わせる意味で別途にすることがあります。
空調設備の冷暖房機器や床暖房なども要望に応じて追加されることになります。
ガス工事代や上下水道の引き込みに関する工事、負担金も別途必要です。
本体工事以外の費用
設計監理費
設計事務所に住宅の設計を依頼する場合には設計料が必要です。
同時に工事の施工管理を依頼するのであれば工事監理料も発生します。
設計事務所選びで参考になる記事です。
建築確認申請手数料
住宅を建築するのは建築士が施主の要望を取り入れてプランニングし設計をします。
市区町村の建築指導課などで建築確認申請をする必要があります。
・坪単価の計算方法は?
住宅の本体価格 ÷ 延床面積 = 坪単価
1坪は約3.3㎡なのでパンフレットやカタログ、図面などの資料で㎡での面積表記の場合には、坪数を算出して下さい。
業者によっては延床面積ではなく施工床面積(吹き抜けやバルコニーも含む)で算出していることもあるので確認する必要があります。
建物の構造や工法、外装や内装の仕上げ材のグレード、各別途工事などが含まれていたり、除外されていると条件が違って適性な比較ができなくなるので注意して下さい。
・坪単価を安くする秘訣
複雑な形状の建物は高い
四角形のシンプルな形状の建物よりも、階段のような形状や曲線、デコボコな形状になると建築資材を施工する面積も増え、出隅や入隅の納まりが複雑になるので手間がかかります。
建築資材も細かく切断加工しなければならないので、ロスが多くなるので坪単価が高くなります。
住宅のコストダウンをお考えの方に参考になる記事です。
小規模な住宅は高い
住宅建築には木工事やコンクリート工事、電気設備工事など多くの工種が連携を取りながら工事を進めていきますが、小さな家でも大規模な家でも工種はほとんど変わらずに、建物を造っていますが作業効率は明らかに小規模な住宅の方が悪くなり坪単価に影響を及ぼします。
ユニットバスやシステムキッチンなどの設備機器は減りませんし、現場管理費や諸経費も極端に少なくならないでしょう。
建築材料を発注するにしても細かな数量よりも、まとまったロットの方が値引きがしやすいと言えます。
平屋が高くなる
同じ延べ床面積で同じ仕上げの2階建てと、平屋建てを比べると平屋建ての住宅の坪単価が高くなります。
基礎を構築したり屋根葺き工事は単価も高く、建坪と屋根の総面積が大きくなるので、2階建ての2階部分の床工事や外壁工事費用の方がコスト的には安くなる傾向にあります。
平屋住宅をお考えの方に参考になる記事です。
仕様やグレードで高くなる
建築資材にはグレードがあり安価な物から標準品、高級志向のグレードが高い物まで幅があります。
同じ規模の建物であっても片方は屋根瓦葺きで、片方は塗布防水の歩行仕様、外壁はモルタル下地の吹付塗装で、片方は外装タイル張りでは工事金額も違い坪単価に開きが出てきます。
大手の会社は高め
全国展開している大手のハウスメーカーなどは地元に密着した注文住宅会社と比べると、全国展開していて住宅展示場を設置したり大々的な広告などで費用をかけているので、本体価格に上乗せされる場合が多いでしょう。
坪単価は目安でしかない
注文住宅会社やハウスメーカーの広告やカタログに表示されている坪単価は建物の本体価格なので、分からずに設計費用や門扉、キッチンのオプションなど全て含まれていると思っていたら予算オーバーしてしまいます。
住宅工事費全体の20%~25%くらいは別途工事などの予算が必要と思っていた方が良いでしょう。
坪単価は最初の段階で大まかな目安程度で捉えて、しっかりと相見積を比較検討して適正価格を調べましょう。
もし気に入った物件の坪単価が高くても、プランの中身を見て価格に見合うだけの建物なのか確かめます。
手間が掛かる作業ですが家族のために頑張れば、結果的に坪単価も安くなり予算を浮かすこともできるかもしれません。
・坪単価の計算方法まとめ
坪単価は住宅の価格の目安をですが、あまりこだわり過ぎてしまうと後悔することがあります。
予算を守ることは決して悪いことではありませんが、マイホームは一生に一度あるかないかの大きな買い物です。
お金を削り過ぎてしまい使い勝手が悪くなってしまっては、せっかくの新築住宅が勿体ないです。
各業者のプランが自分たちに家族の要望に合っているのか中身をしっかり確認して、見積もりの金額が適正価格で妥当なのかを判断されると良いでしょう。